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12月13日

8時台の電車で、妻とお義母さんと共に高松へ向かう。新幹線バラバラの指定席のため昨日買った本を読みながら過ごし、13時半ごろ岡山に着く。目的の高松の展示を翌日に回し、のんびり観光の流れになった。14時の特急南風宿毛行きに乗り換える。瀬戸大橋中程から強烈な西日をまともに受けて、他の乗客はカーテンを一斉に閉めた様だが、ふたりは車窓に流れる景色に向けて夢中でシャッターを切っていた。その横で帽子を沢田研二のように斜めにかぶってふたりの嬉々とした表情をのぞき見た。15時琴平駅下車、金比羅さんへお参り。学生ごろから4、5度お参り兼取材に来ているため、町の一風景を切り取った作品を幾つか作っている。そのモチーフになったブッタイが未だ変わらずの状態で残っていることには「お久しぶりですっ!」という挨拶が漏れてしまうくらい興奮する。ふたりは初めて来たようで後方で楽しそうにシャッターを切りまくっている。俺は「お久しぶりです!お久しぶりです!」と心でつぶやきながらズンズン歩いた。
金比羅さん中腹の円山応挙の障壁画のある書院に初めて入る。ごくごく最近になって日本庭園やそこにお似合いの日本建築に興味を抱きはじめたので、行き届いた庭園管理や建物の部材に自然と注目した。残念ながら伊藤若冲の障壁画は2週間前までは特別に見る機会があったとのことで、妻は悲しそうであった。石段を下り左手に高橋由一館がある。ここへは2、3度入っている、由一好きの自分は、2人が由一の凄さに気付いてくれたことが嬉しかった。
16時半過ぎ参道を下り始めると蛍のひかりが聴こえてくるようなムードに、参道両脇のシャッターが一斉に下がり出す。参道を下りきり直進し橋を渡るとアーケード入り口に総菜屋がある。そこの揚げ物がむちゃくちゃ美味い。しかし寄って行ってみると15人ぐらいの観光のおばちゃんが注文を待っていて店内に密集している。さすがにあきらめて琴電に乗車し今晩の宿に向かう。二人は車窓の火灯し頃の風景に向かってシャッターを切っていた。その肩越しを観覧車の灯りが数珠のように発光し夕闇に浮かび、去って行った。今日の〆にいい光景だった。
by koyamamasayoshi | 2014-12-17 02:59 | 日記

12月12日 

渡辺篤個展へ行く
新宿で電車を降り、御苑脇の模索舎で本を買う。「黒子のバスケ」脅迫事件の獄中手記、柳田邦男の禁忌習俗事典。山手線で渋谷乗り換え、田園都市線で一駅池尻大橋で降りる。大学の先輩でNANJO HOUSEで個展をしている渡辺篤の「止まった部屋 動き出した家」を見に行く。本を買った為財布には1000円一枚のみ。行きしなにあるコンビニで缶ビール2本とナッツを買い差し入れとした。事前予約制の展示の為予約時間の5分前に到着した。会場内に響くノコを挽く音と、全面セメントで塗込められた家がある。そしてその家は傾いている。作品解説を訊くとナベさんは初日の7日からその家にひきこもり外界との接触を断っておるという事だった。押し入れほど広くない密室で、さほど多くないであろう飲食料と4ヶ所の通気口、人工灯とノートpcが生命線となっている。中の様子は伺い知れないが、センサーで、中に動きがあるときは家上部に吊るされたライトが灯っている。
差し入れを持参した自分が恥ずかしくなった。そんなところで戦ってないのだ。
夏頃、浅草橋と秋葉原の中間地でやっていた氏の「ヨセナベ展」には感じられなかった張りつめた空気、差し迫った空気を今回の展示で感じ、寒気がするほどだった。
自身を密室に閉じ込める行為を作品にしたものが過去にあったのは知っているが、それは身体性に寄るところが大きく、それは「ひきこもり」ではないだろう。
自分にはひきこもり当事者の心情はわからない。わからないがタヂカラオが強引にひきずり出そうとしてもアメノウズメが裸で躍っても、届かない深い闇に沈んだ難しい問題なんだと思う。
作品詳細テキストの一文に「自身のタイミングでカナヅチとノミを使い、扉型の壁を割って外に出る」とある。この自身のタイミングでという部分にとてもメッセージ性を感じる。
セメントで塗込められた傾いた家は、震災の津波で流される様を表現している様にみてとれ、展示会場の灰色の床にプカプカと浮いているように見えた。それは映画今村昌平の「人類学入門」、主人公スブやんが川上に繋いだダッチワイフ研究所のオンボロ小屋が、研究に没頭するあまり流されているのに気付かず大海原に出るエンディングのシーンに重なって見えた。何故ならその傾いた家が今にも大海原に進みそうで、希望を乗せた舟にも見えるからだ。
by koyamamasayoshi | 2014-12-12 23:23 | 日記

12月1日

正午に上野での作品を積み終え、急いで東京駅へ向かう。
愛知の実家に一枚作品をピックアップするために、豊橋停まりのひかりに飛び乗る。ふと目が覚めると車窓は熱海駅を通過している。結構速いな、これならあと40分くらいで豊橋着くなと思い、母親に迎えにきてもらう電話をする。
高松に20時には着くとなると、逆算して滞在時間30分しかない。とりあえず自分の部屋だった所の過去の作品が積み重なっている中から必要な一枚を見つけ引っぱり出して確認する。その間に即席ら〜めんと卵焼きを作っていてくれた。それらをかき込み、引っぱり出した一枚を簡単な梱包をして駅に向かう。
こだま、名古屋でのぞみに乗り換え18時ごろに岡山に着く。ところが在来線瀬戸大橋線が規制値を超える強風の為14時ごろから運転見合わせている。参った瀬戸大橋が渡れん。ホームは立ち往生の利用客で溢れている。決断は早い方がいい。この強風だと今日中の運転再開は無理だろうから、選択肢は2つ。駅周辺の宿を取るか、新岡山港まで出て船で小豆島に渡り、頼りにさせてもらっている島の恩人Mさん宅に行くか。そう考えたらもうMさんとビールが飲みたくなって直ぐに各所に電話をかける。
まず、この強風で船が出るか。これは出るとの事。よし。次にMさんに情況を話し泊めていただけるか確認。よし。今日予約していた高松の宿にキャンセルを入れる。さっそく新岡山港行きバスを探すがもう終便が出たため、タクシーで向かう。最終の小豆島土庄港行き出港まであと50分。バスだと通常運行で港まで45分。混んでなけりゃ間に合う。割にスムーズに走り10分前に着く。港はものすごい強風。豊橋から持ってきた作品が板状のため風に持って行かれそうになる。4人の乗船客を乗せ出港。甲板に出て遠ざかる岡山の灯り、船のゆく先の島々を眺める。波高く強風だが月明かりが海上を煌煌と照らしている。船内で少し眠る。
船着き場で待っていたMさんは「ご苦労さん」と煙草を片手に笑顔で迎えてくれた。
by koyamamasayoshi | 2014-12-09 19:36 | 日記

表現のチカラ 東京藝大セレクション

香川県高松市内の史跡高松城跡玉藻公園内、重要文化財である歴史的建造物「披雲閣」にて、東京芸大修了生、在学生、計10名による作品展を行っております。私は旅先で記録した旅館の床の間を資料に制作した作品を展示しております。

開催日時: 2014年12月5日(金)〜2014年12月14日(日) 10:00〜16:30
場所: 高松城跡玉藻公園内 披雲閣 
鑑賞料無料 ※ただし玉藻公園入園料が必要 大人16才以上 200円、小人6才以上16才未満 100円

玉藻公園アクセスリンク
by koyamamasayoshi | 2014-12-09 17:34 | 展覧会


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