2022/6/12
ウクライナ映画特集。
今日は「誓いの休暇」と「処刑の丘」を観た。両作品ともはじめて観る。
爽やかな若い兵士の姿が、心地よく描かれていた「誓いの休暇」。
この画角で終わると思っていた場面で、まったくその通り終わりを迎えたので、
ああやはりここで終わるべきものだとたいへん勉強になった。
「処刑の丘」にはまったく度肝を抜かれた。その形容しか当てはまらない。
無防備に観ていたので、心底で体の芯と繋がっていた魂が、ずりっと引っこ抜かれて、どこかへ攫われてしまったようである。
どちらも戦争のなかにあるのだが、捉え方描き方がまるで違う。徹底して無惨な戦争の一場面が雪中の上、深い森の中、ゴルゴダのような丘の上に打ち捨てられる。
つぎの3本目には「君のことを忘れない」という作品が上映予定であった。しかし体力も精神もひたひたに充足し、これ以上容れたら溢れて勿体ない。
純度の高いダイヤモンドの刃にやられて、この熱いような余韻を、じくじくした痛みを失いたくない、骨まで到達した美しい切り口をひた隠しにかばって帰る事にした。
ああこの汚い街を帰る。立ち小便をしながらゲラゲラ笑ってるおっさん、路上に眠る若者、
自分の爪の先までしか考えられないような若い女たち。
このものたちはこの2作品を見る機会もなければ、観たとしても何も思わないのだろうか。
わたしは今日目撃した衝撃的な感動を、自分の作品に落とし込んで、届かないと思われるものにむかって咆哮したい。
by koyamamasayoshi
| 2022-06-12 13:42
| 日記
小山真徳 展覧会情報
by Koyama Shintoku
カテゴリ
全体展覧会
日記
最新の記事
2022/10/19 |
at 2023-04-15 17:18 |
背中 |
at 2022-12-14 21:22 |
2022/8/1 |
at 2022-08-01 23:36 |
2022/7/31 |
at 2022-07-31 23:35 |
2022/7/30 |
at 2022-07-30 23:34 |
以前の記事
2023年 04月2022年 12月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2020年 07月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 07月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2015年 11月
2015年 09月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2014年 12月
2014年 10月
2011年 08月