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早朝、在来線を乗り継いで伊勢原駅へ、そこから大山ケーブル下までバスで行った。
脚の具合もだいぶ良いし、日程と天気予報を鑑みて大山詣に思い切って出掛けた。
バスにはそれなりに参詣者が同乗していた。ケーブル下から独楽参道を15分ほど歩くと大山ケーブル駅に着く。すでに始発の乗車待ちの列が出来ていたし、子供たちのテンションが上がっていて騒々しいので、列から外れて、上まで自分の脚で登り始める。
男坂は女坂に比べて短い時間で下社まで着くが、その分かなり急勾配の登り道だった。石段の高さも膝を腿に付ける勢いで上げなければならないので直ぐに息があがった。
薄暗い前方の石段を外国人女性2人が登っていた。2人の素晴らしく艶かしい肢体を吸い付くように見惚れた。まるでボッティチェリのプリマベーラの中に描かれている女神のような美しさだ。
山の神も女神なので、ひょっとすると山の神かあるいは、人を騙すあやかしか。
そんなことを考える余裕もなく、ただそのたわわに育った臀部に誘われるように息を切らせて登った。
20分で大山阿夫利神社下社に着いた。いまから登らせていただきますとご挨拶して本社に向けて険しい道を登る。登山料を支払い幣を自身で払い、道中守りを一つ貰う。
2、3年前に初めて登り、体力的にはハードだけどとても心地良い気分になり、また登りたいと思い続けていた。理由のひとつには講中がある参詣山ということだ。故郷では20代に大峰講で大峰山に登っていたので、懐かしさと親近感があり、そして昔からの講中の人たちの信心によって形成された宿坊、旅館が参道に沿って延びる川の両端に並んでいる。人々の信仰から形成された集落の美しさは、全世界共通だろう。
はじめの300段くらいは40度はあろうかと思われる急勾配の石段で、そこから先は大きな石や岩、木の根などで出来た荒々しい登山道になっている。中腹くらいで霧が立ち込めて視界が薄ぼんやりしている。雲と同じ高さくらいまで来たところで、どどんどどんと雷鳴が真横から聞こえる。途中で休むことなく登り続け、汗をしとどに流して60分で山頂の本社に登頂した。山頂は霧のため視界不良でただ白い世界が取り囲んでいた。
未だ首都近県は緊急事態宣言下にあるが、週末の大山には多くの登山者が登っていた。
息も絶え絶えで湿度MAXの中、わたしなどはマスクなんて冗談じゃないので脱いで登ったが、律儀な方はマスクをして登っていた。そして登山者同士の挨拶も遠慮してすれ違うときは下を向いていたが、やはり多くの登山者は当たり前のように心地良い挨拶を投げかけてくれる。
下山の途中で雨が降りだし登山道を濡らすので慎重に足を運んで降りた。下社についてもまだ雨が降り続いていたので、歩いて下山するのを諦めて、大山阿夫利神社駅からケーブル下駅までケーブルカーに乗った。車内でお母さんに抱かれた赤ん坊がお母さんの肩越しに穢れのない澄み切った瞳でじっとわたしを見つめていた。俺の背後に何かおかしなものが見えているのかい?
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帰路の独楽参道のタイルの上にツクツク法師が瀕死でひっくり返っていた。
後ろを歩く参詣者が人に踏まれないように端に逃がそうとしたらしく、最期の力を振り絞ってけたたましく鳴いた。
バスに乗って宿坊が両端に立ち並ぶ参道を下って駅に向かう。走る車窓から参道の一番下のお土産屋「かどや」を覗いた。前回ここのお土産屋で大量に好みの古臭い土産物を買ったが、まだまだお店が開いていたので安心した。
正午過ぎ、八王子駅で途中下車して口が欲していた「壱発ラーメン」を食べに行った。
わたしには美味いというよりも中毒性のある嗜好の味という感じがする。
大満足して帰路のバス停に辿り着き時刻表を見ると、全くやって来ない時間帯だった。諦めて、雲が去りお日様が丸出しになって暑くなってきた道をトボトボ1時間歩いて帰った。
帰り道の薬局の駐車場で女子高生が制服のスカートを捲り上げて、黒い下着を履き直していたようだったが、どうしたのだろう。
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by koyamamasayoshi | 2021-09-11 21:53 | 日記


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