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牯嶺街少年殺人事件

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恵比寿の写真美術館に映画「牯嶺街少年殺人事件」を観にいく。上映時間4時間の大長編。
パンフレットを先に読んで登場人物などの事前情報を少し理解しておけばよかったが、途中からなんとなくだがわかり始める。
圧迫感の強い重苦しい内容だが、ドロドログチャグチャの陰々滅々ではなく、漂うのは乾いて冷たい気持ちのいい空気感。
高い評価をされる映画に違いなかった。
主人公の少年の眼差しは、中学生特有の大人や社会を見定め怖れるもののない挑発的な眼の鋭さと、諦念感漂う冷めきった虚しく悲しい穴のような眼を同時に持っている。
やじろべえのように不安定な上に立ち、周りの空気に翻弄されふらふらとかろうじてバランスを保ちつつも、狭小で逃げ場のない世界である少年期特有の内包されたエネルギーの圧縮は、握手をするような些細な仕草であっても相手や社会にとてつもない一撃を加える。
その回り道のない思考の直結は、大人や社会に翻弄される中で、自我がマグマのように沸き立ち続ける少年期に絶頂する特殊能力だろう。そしてこの特殊能力だけが、社会をぶち壊し突破し世の中を変える唯一の方法なのかもしれない。

自分の少年期をヒリヒリと思い出しつつ俺には出来なかった、突破していく主人公の少年の姿はひかり輝いて見えた。









by koyamamasayoshi | 2018-01-28 20:09 | 日記


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by Koyama Shintoku

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