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ポレポレ東中野「人生フルーツ」13:00の回を観る。上映前の予告映像から、隣の席のおばさん二人の会話がうるさい。その上独り言も激しい。周囲に自分の気持ちを顕示するタイプの独り言だ。あまりにうるさいので注意した。
あるラジオでパーソナリティがこの映画を絶賛し感想を述べているのを聴きやって来たが、正直期待はずれという気持ちだった。ラジオでは、かつては住宅公団のエースだった人物が、生産性重視の時代の流れに逆らうような住宅プランを提案するが弾かれてしまい、その後夫婦でこの時代の波に抗うように小さな里山のような自宅で自給自足して暮らしている…という前情報だった。その部分にとても興味を抱いていた。実際映画を見ると「良い部分」「正当性」「スローライフ」ばかりに視点があたり、対抗するような描写に欠けているなあと感じる。この映画の中に登場するご夫婦に「悪い部分」「醜い部分」を求めているということではなく、「良い部分」ばかりを羅列するような映画の作り方はどうなんだろうと思う。ドキュメンタリー映画としては作り手の気持ちが撮影対象に近づき過ぎているように思えるし、極めてフラットな感情で淡々と撮影していたらもう少し違っていたと感じてしまう。何か一方向に向かい過ぎている空気が嫌いなのだ。
その上、この映画を観に来ているおじさんおばさんの眼球に写る、光り輝く憧れのスローライフの見本の像がスクリーンに覆いかぶさり見ていて段々と弾かれていくのだ。

社会批評性の高いドキュメンタリー映画を観ているだけで、その問題に一瞬向き合えていると錯覚する劇場の空気。そして向き合えている自分を自己顕示する独り言を発するおばさん達。ドキュメンタリー映画を観るときは本編以上に周囲の空気感が気になるものだ。
by koyamamasayoshi | 2017-02-28 22:37 | 日記


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