2016/6/20

朝9時新宿ツタヤへ行き、借りていたVHSを返却。
10代後半から20代前半に新宿の美術予備校に通っていた時は、しょっちゅう利用していたが、ツタヤが入っているビルが随分長く改装工事をしているので素通りしていた。先週、絵の額を注文した帰りに寄ってみた。
DVD化されていない昔の邦画のVHSがかなりあり、4 本借りた。
今村昌平監督の「にあんちゃん」「黒い雨」、今井正監督の「仇討」「夜の鼓」。
「にあんちゃん」と「仇討」が良かった。
アナログ放送が終わってから部屋の隅に放置してあったテレビデオを、一晩、現役復活させて鑑賞した。

10時、額屋へ注文していた額を受け取りにゆくが、未だ仕上がっておらず。
数十分待って受け取り新宿三丁目から副都心線で渋谷へ行く。
展覧会の作品搬入前にユーロスペースでやっている森達也監督の「FAKE」を観に行く。
森監督の「FAKE」は心待ちにしていた。
渋谷にはあまり寄らないので土地勘がなく、道玄坂のラブホテル街でしばし彷徨う。
水商売風のお姉さんに道を尋ね、何となくの方向を教えてもらい、どうにか上映5分前に辿り着く。

本当にいいドキュメンタリー映画だと思った。
なぜか見終えた後しばらく手足の指がピリピリしびれた。
心もそうだけど、その肉体的余韻がしばらく続いた。

あの一連の報道があった時に、思っていた事は、嘘ついてた人間より、暴いた人間のほうがよっぽどじゃないかと。
自分が楽になりたいばっかりに創作の裏を暴く行為はプロとは言えないと思った。
まず美術とか芸術なんてものに真実味ってそんなに必要なのか?と思う。
核として中心に真実が2、3%あって、残り90何%が、はったりや創作、妄想、勘違いで覆われているのが、美術、芸術、アートだとおもうんだけど。個人的には。
その後、「共犯者」はバラエティ番組に出たりで、売れに売れていき、何故か何故かの英雄扱い。
おかしい、ほんとおかしい。気持ち悪すぎる。

昨日観た今井正監督の「仇討」クライマックスの仇討ち決闘シーンの寒々とした空気。そこに居合わせた立会人、野次馬全員が仇人に対して「お前が死ねばすべて丸く収まる」と全員が全員同じ筋書きを思い浮かんでいる。それは「お前が大嘘つきであればすべて丸く収まる」という同じ構図として重なってしまう。

騒動前、NHKの「現代のベートーヴェン」のドキュメンタリー番組をリアルタイムで見ていた。
自分の実家近くのビジネスホテルのベッドの上で見ていた。
今日「FAKE」を観てその時とあまり変わらない感動だった。
つまり、彼自身にとても魅力があるし、ないものを創造しようとする姿が美しいと感じるのだ。
それが「嘘だよ」といわれても「そうなんだ」と、俺は思う。
by koyamamasayoshi | 2016-06-21 02:22 | 日記


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