無名橋

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2015年4月18日 
六本木へ「単位展」「蕪村若冲展」を観に行く。
デザインの世界の人のその、万人に伝える才能、そして伝わった時に脳の一部が開く感じはすごいなと思った。デザインの世界にある、「つるんとした仕上がり感」は展示会場周辺のこのミッドタウンにも大いに存在し、ボロボロの革ジャンでフケあたまの俺には居づらいところであるが展示をみる目的で堂々と歩く。
蕪村若冲展はとても勉強に参考になった。しかし一番驚きだったのは、伊藤若冲、与謝蕪村、円山応挙が道路向かい程のご近所さんだったことだ。場所は京都四条河原町。
ミッドタウン施設内のおしゃれ店舗に交じってファーバーカステルの店があるのを見掛けた。
なるほどなあ…と思った。
六本木から新宿まで歩く。
神宮外苑あたりを歩いていると後ろから太鼓の音が聴こえる。
振り返ると白衣(びゃくえ)に、下は黄色のニッカポッカ風、手にはお題目をあげるときの団扇太鼓を持つ中年の男ひとり。どこまで行くのかコンクリート渓谷の遠くを見つめて叩いている。周囲は目の端で捉えているだけで見ぬふりをしている。自分は少し先のベンチで座って待ち、修行者をじっと見た。なにか通じたかった。
神宮球場周辺、本日ヤクルト×横浜DeNA戦があるようで入り待ちの長蛇の列が出来ている。交差点で横浜の助っ人外国人選手が居たが自分には分からなかった。
絵画館に寄ってみる。案内板を見ると施設維持協力金(入場料)500円。だが何回数えても財布には458円で足りない。あきらめて四谷新宿を目指し歩く。
何気なくふっと振り返ると国立競技場が数機のショベルカーによって破壊されていた。バームクーヘンで言うと残りふた口の国立競技場は切なく、目の奥がじわっと熱くなり悲しい気持ちになった。
首都高入口の脇道を行くと「いい場所」に繋がった。高速道路と中央、総武線の線路の上を横断するその脇道(跨線橋)は流れる車と電車を一遍に味わえる場所だった。
西を向くと夕日の影となった新宿の街が見える。その場所の名は「無名橋」。
by koyamamasayoshi | 2015-04-19 02:16 | 日記


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